これまで、プログラマやwebデザイナーといった一部のIT技術職は、仕事に関して与えられた作業を単独ですることが一般的でした。これは独立したフリーランスや個人事業主だけではなく、企業に属する会社員も同様で、パソコンに向かって作業をするというイメージそのままと言えます。

しかし、昨今になって状況が変わり、スクラム開発と呼ばれる作業手法を取り入れる企業が増えてきました。これはどのような内容かというと、ラグビーのスクラム、メンバーが肩を組んでひとつの集団を作りぶつかっていくフォーメーションで、チーム単位で短く区切った開発期間内で作業をすることを言うのです。

これまではそれぞれ単独で作業を行い、仕上がった仕事を合わせていくという形でした。スクラム開発の場合は、作業単位でそれぞれの内容をチェックできるので、問題の発見が早く、解決に関しても同様です。
また、それぞれの立場が同列なので自律的なチーム作りが可能となり、短い期間で最大限の効果をあげられる可能性を高められるでしょう。

これまでコミュニケーション不足だったところがスムーズになり、仕事における新しい魅力を感じるIT技術者もいます。
今まで仕事の魅力や楽しさは作業面で感じることが多かったと思います。人によってではありますが、チーム単位で取り掛かることにより、他者とのやりとりや刺激が、また違った魅力になっているのです。作業効率の向上はもちろん、仕事をする上でも刺激を受けるスクラム開発は、IT業界で新しい可能性を感じさせる手法となってきています。